オフィス選びで、交渉の妨げとなる悪条件を予測

11月5日, 2015

東京で満足のいくオフィス空間を見つける難しさは、会社案内よりもオフィスの住所が会社のステイタスを反映してしまうところにあります。

 フロアプランや立地などの基本条件から、照明やセキュリティなどの詳細条件まで、オフィス選びはあらゆる側面を慎重に考慮しなければなりません。小さな不都合でも、交渉が破断になる原因となることは珍しくないからです。

新しいオフィス選びは、どんな条件に注意する必要があるのでしょうか。オフィス選定ポイントのトップ5をまとめてみました。

 1. ロケーションがすべて

東京では最寄り駅が何よりも重要です。そして駅が決まっても、下記のようなさまざまな詳細条件が絡んできます。

    •       駅からオフィスまでの歩行時間は?

            •           道のりは雨に濡れない動線か?

            •           通勤の利便性が高い路線か?

            •           最寄り駅までの乗り換え回数は?

            •           現在のオフィスとの、交通費の比較は?

電車通勤が一般的な東京都区内では、駅に近いオフィスほど従業員に好まれ、募集時のポイントにもなります。一般的に駅から徒歩10分を超える物件は外国企業に敬遠されます。

駅に近くとも、マイナーな路線の駅は好まれません。山手線や丸ノ内線などは、都心の要所への連結がよいため人気の高い路線といえます。新築物件事例では、丸の内の鉃鋼ビルディングは非常に有利な立地です。東京駅に地下で直結し、地下鉄14路線と新幹線のネットワークにもアクセスできます。

特定の企業の集積地も選定の基準になります。東京の金融企業は、日本銀行のある日本橋や、東京証券取引所がある茅場町まで電車で10分圏内の丸の内や大手町に点在しています。ベッドタウンである横浜や川崎からのアクセスの良さから、品川に魅力を感じる日本企業も多くなっています。IT企業に人気の渋谷は、トレンディーな中目黒、代官山、下北沢などにも近く、近隣の環境も才能ある人材を惹きつける大切な要素となります。

 2. 外観と内装の印象

ビルの外観の印象は重要です。ビルの外観が殺風景で、内装も冴えない感じだと、そのビルに入っている会社のイメージにも悪影響を及ぼします。洗練されたモダンなビルは、一流のテナントに人気があります。ビルの知名度の高さも、企業にメリットをもたらします。ビル名を伝えたときの相手の反応で、賃貸料を割増してでも有名ビルにオフィスを構える利点も考えられます。

大規模な多国籍企業、金融企業、専門的なサービスを提供する在京企業は、大勢のクライアントや海外からの訪問客があるため、わかりやすいビルの外観に加え、人気のホテル、フードコート、会議施設などに近いことも理想といえるでしょう。企業はこのように環境がよく利便性の高いビルに引き寄せられ、そうではないビルには割安の賃料を期待します。

 3. 時代遅れのフロアプラン

一般的には多層にわたる複数階のオフィスより、ワンフロアに近いオフィスが理想的です。ミーティングルーム、食料品室、休憩室、受付などの機能を上下に分ける必要がある複数階のオフィスより、まとまった床面積のオフィスのほうが効率よく多くの従業員を収容可能です。

柱の数、大きさ、位置も考慮に入れる必要があります。1960年代のニューヨークの広告業界を描いたTVシリーズ『マッドメン』でも、この問題は面白おかしく描かれていました。ある重役のデスクが柱の陰になっていて、いるのかいないのかわからないのです。これはオフィスのレイアウトの非効率性を表す典型的な一例です。

多くのディベロッパーが競うようにしてレイアウト自由な広いフロアプレートを建設し、建物内部の柱の総数を減らす傾向にあり、新しい物件では効率的なスペースが一般的になっています。オープンのワークスペースを採用し、ホットデスキングやタッチダウンデスクを採用し、スペースをより有効に活用する企業も増えています。

 4. 自由度が低いビル仕様

今やすべてのビジネスが高度なIT設備の導入を迫られ、IT対応ができる床構造のオフィスが必要不可欠となっています。金融業などの特定産業ではある一定以上の床下空間が必須であるため、ITフロア100mm以下の物件については割引が求められます。

広いオフィスビルでは、天井の高さも重要です。天井が低いと、働く人々に圧迫感を与え、窓から遠い場所に自然光が届きにくくなります。多国籍企業の多くは、天井高が2,700mm以上の物件を選んでいます。

また多くの企業は時間外勤務もあるため、空調ゾーンが細かく区切られていることも重要になります。使用していないゾーンの冷暖房を切ることで光熱費を節約し、業務コスト削減に貢献できるからです。

セキュリティのレベルやタイプも重要です。電子ゲートと24時間警備は、ごく一般的な要望になりました。

ここ10年で、省エネ仕様とサステナビリティへの考慮も必要になっています。LEDの照明を採用することで、光熱費の節約と企業のエネルギー方針にも呼応することになります。

 5. 事業継続計画の不備

東京のような都市では、災害時の事業継続計画(BCP)も重要ポイントになります。BCPのスペックを十分に備えたビルは、テナントに災害時のサポート(水や必需品など)を提供し、耐震構造を強化し、自家発電機を常備しています。電力が死活問題となる企業は、独自に自家発電機を導入しています。

 東京のオフィススペースは需要が高く、人気物件は激しい競争が予想されますが、妥協をせず、自社のビジネスに最低限必要な条件を明らかにし、慎重に計画を練って、なるべく早期から物件探しを始めることが成功への鍵となります。