都心部では、虎ノ門・渋谷・品川などの再開発プロジェクトが続々と竣工し、最新設備を備えたハイスペックなオフィスビルが供給される。これらのビルは、企業のブランディングや従業員の満足度向上に貢献する一方で、賃料水準も高いため、一部の大手企業が主なターゲットとなる。
一方で、中小規模の企業やスタートアップは、フレキシブルオフィスや郊外エリアの割安なオフィスを選択する傾向が強まる。都心部の一等地から、よりコストパフォーマンスの高いエリアへ移転する動きも活発化すると予想される。
空室率は、新規供給の影響で一時的に上昇する可能性がある。しかし、景気の回復や企業の事業拡大に伴い、徐々に改善していくと見込まれる。ただし、築年数の古いビルや設備が老朽化したビルは、競争力を維持するために、リノベーションや用途変更などの対策が必要となる。
賃料は、都心部では高止まりするものの、エリアや物件によっては二極化が進む。新規供給が多いエリアでは、テナント獲得競争が激化し、賃料交渉が有利に進む可能性がある。
2025年以降の東京都の賃貸オフィス市場は、企業規模や業種、働き方によって、多様なニーズが生まれる。そのため、不動産オーナーや仲介業者は、市場の変化を的確に捉え、柔軟な対応が求められる。企業は、自社の事業戦略や従業員のニーズに合ったオフィス環境を選択することが、競争力強化に繋がると言えるだろう。