大阪市西淀川区は市西部に位置し、隣接する尼崎市(兵庫県)から西淀川区の西方エリアは、かつて化学や鉄鋼などの重工業を中心に阪神工業地帯として栄えた。
70年年代に入ると撤退する工業跡地に住宅が建設され、大阪市の中核、梅田に近接することから大阪のベッドタウンとして発展した。また西淀川区は工業の発展に伴い、鉄道や道路の整備も進められてきた。区内には国道2号線・43号線や、JR神戸線や阪神本線、阪神高速道路など複数の路線や幹線道路が縦横しており、大阪市内や神戸市方面への移動も容易となっている。
また区内には教育機関や商業施設も多く、生活の利便性が良好なエリアとして高層マンションの建設が進んでいる。中でもJR東西線・御幣島駅近辺は、警察署や区役所などの官公庁が密集する市街地であり、大型商業施設も多いことから住宅街としての人気も高いエリアとなっている。
西淀川区のオフィス街は、大阪市の他の区ほど規模は大きくないが、独自の特徴を持つ。主に阪神電鉄本線やJR東西線の駅周辺に集中しており、塚本駅や御幣島駅の近くには中小規模のオフィスビルが点在している。
これらのオフィスには地元の中小企業や、製造業、物流関連の会社が多く入居している。区の工業地域としての性格を反映し、オフィスと工場や倉庫が近接している場合も少なくない。
国道43号線沿いにもオフィスビルがあり、交通の便の良さが特徴だ。ただし、大阪市中心部と比べると賃料は比較的安価で、コストを重視する企業にとっては魅力的な選択肢となっている。
近年、区の再開発計画に伴い新しいオフィス空間の創出も進んでおり、今後の発展が期待されている。特に、環境に配慮したグリーンビルディングやITインフラを充実させた次世代型オフィスの建設も検討されているようだ。
西淀川区のオフィス街は、大阪市の中でも独特の雰囲気を持ち、工業地域と商業地域が融合した特色ある街並みを形成している。