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賃貸オフィスの種類と特徴、企業ニーズに合った選び方のポイント

最新のオフィスの種類とそれぞれの特徴、メリットとデメリット、どのような企業や業種に向いているのか、選び方のポイント、おすすめ物件などを解説。

近年のオフィスは、一般的な賃貸オフィスからフレキシブルオフィス(コワーキングスペース、シェアオフィス、サービスオフィス、サテライトオフィス)、一部内装が造作されたセットアップオフィスまで多様な働き方に対応したオフィスが増加しています。​

オフィスの移転や新規開設にあたり、知っておきたい最新のオフィスの種類とそれぞれの特徴、メリットとデメリット、どのような企業や業種に向いているのか、選び方のポイント、おすすめ物件などを解説します。​

 

目次

  • オフィス選びで重要な条件とは?
  • 理想的なオフィスの選び方は?7つのポイント
  • 会社の事業戦略に合わせたおすすめのオフィス種類
  • 一般的な賃貸オフィスの選び方
  • セットアップオフィス・レンタルオフィスの選び方
  • フレキシブルオフィス(シェアオフィス・コワーキング)の選び方
  • SOHO(Small Office/Home Office)とは
  • オフィス内見の手順とチェックポイント
  • まとめ:オフィス選びで失敗しないために

 

オフィス選びで重要な条件とは?

シェアオフィスの働き方イメージ

オフィス選びで最も重要なのは、移転目的の明確化です。複数ある場合には優先順位を明確にして、企業として絶対に外せない条件を考えます。企業の業種やどのような職種の方が多いのか、お客様が法人なのか個人なのかにより、利便性・快適性・諸条件など重視する条件も変わります。​

 

【移転目的】

  • 人員増
  • 採用強化
  • 新規拠点の開設
  • 分散オフィスの統合
  • 交通利便性の向上
  • コスト削減
  • 企業イメージ向上
  • オフィス環境の改善等

目的の明確化に合わせて、オフィス市場の把握は、移転目的の妥当性や、条件に見合うエリアの選定や移転タイミングの決定にとても重要です。

 

コロナを経験し、出社するオフィスワークと在宅勤務を中心としたテレワークを組み合わせたハイブリットワークが浸透してきています。そして、ハイブリッドワークの浸透によりオフィス環境を再構築する企業が増えています。

例えば、人材採用を目的に新築ビルに移転した「京都電子計算のオフィス戦略」に見られる、人材確保を目的としたオフィス移転事例の場合には、以下の条件が重要になります。

  • 立地改善(IT系は渋谷、金融は丸の内等のエリアイメージ、交通利便性)
  • ビルグレードアップ(規模、認知度)
  • コスト(ランニング)の適正化
  • ビル施設の充実度(屋上庭園やテナント専用の食堂・ラウンジ・カフェ等)

働き方の多様化により、人材戦略とサステナビリティ戦略は深い相互関係にあるようになりました。オフィスのワークプレイスでのコミュニケーションは更に重要視され、ウエルビーイング、オフィスの緑化などが求められています。

 

理想的なオフィスの選び方は?7つのポイント

理想的なオフィス

最適なオフィスを選ぶためには、次の7つ要素をそれぞれ検討し、自社にとって優先順位の高い要素に当てはまるオフィスを候補として絞り込んでいくとうまくいきます。

1. エリア

オフィスのエリア選定は、交通アクセスやブランドイメージに影響を与えます。都心に近い場所は顧客へのアクセスが容易ですが、賃料も高くなる傾向にあります。一方、郊外は賃料が抑えられますが、交通の利便性や従業員の通勤に影響が出るかもしれません。ビジネスのタイプや従業員の居住地を考慮し、最適なエリアを選びましょう。

2. 立地

立地はオフィス選びの重要な要素です。駅からの距離、周辺の飲食店や商業施設の充実度、治安の良さなど、日常の業務に影響を与える要因を検討します。また、クライアントやビジネスパートナーが訪れやすいかどうかも考慮することが重要です。

3. 広さ

必要なスペースは、従業員の数や働き方によって異なります。将来の拡大を見越して余裕を持たせるか、コスト削減のために最小限に抑えるか、バランスを取りながら検討しましょう。また、社員一人当たりのスペースの基準や、共有スペースの必要性も考慮に入れます。

4. 賃料・予算

賃料はオフィス運営コストの大きな部分を占めます。予算内で最適な条件を満たすオフィスを探すことが重要です。立地や広さを優先するか、賃料を優先するか、企業の財政状況と戦略に基づいて決定します。

5. 設備

企業の現在の規模と将来の成長を見越して、オフィスの規模を選びます。余りにも広すぎるとコストが無駄になりますが、狭すぎると働きづらく、拡大の際に再度移転する必要が出てきます。柔軟性とコストを考慮した上で決定しましょう。

6. 企業規模や成長性

インターネット接続、エアコン、セキュリティシステムなど、業務に必要な基本設備の有無を確認します。また、会議室、休憩スペース、キッチンなど、従業員の快適性や働きやすさを高める設備も重要です。

7. オフィスタイプ

オープンプラン、個室オフィス、コワーキングスペースなど、様々なタイプのオフィスがあります。従業員の働き方や企業文化、プライバシーの必要性などを考慮して、適したオフィスタイプを選択します。

 

会社の事業戦略に合わせたおすすめのオフィス種類

どのような事業形態や戦略を持っているかによって、適したオフィスの種類は異なります。事業戦略と相性の良いオフィスの種類の例を紹介します。

 

企業向け:一般賃貸オフィス

数百~数千の従業員がいる企業の本社や支社には、従来型の賃貸オフィスが適切です。広いスペースを長期間賃貸することでディスカウントが効き、コストを抑えられる可能性があります。

 

スタートアップ企業向け:コワーキングスペース

スタートアップ企業には、柔軟性とコラボレーションを促進するコワーキングスペースが最適です。限られた初期投資で利用でき、他の企業との交流の機会も生まれます。成長に応じてスペースを拡大できる柔軟性も魅力です。

 

リモートワーク中心の企業向け:シェアオフィス

リモートワークを中心とする企業には、本社機能に加えサテライトオフィスという位置づけで、設備投資が少ないシェアオフィスが有効です。家具やOA機器が使用できるほか、郵便物の管理や電話応対サービスなどが提供されることもあります。

 

一般的な賃貸オフィスの選び方

一般賃貸オフィス

従来型の賃貸オフィスは依然として数も多く、メインの選択肢となる企業も多いでしょう。

 

一般賃貸オフィスの特徴

一般的な賃貸オフィスは、長期間のリース契約に基づき企業が独自のスペースを持つ形態です。シェアオフィスやコワーキングスペースと異なり、個別のオフィススペースが提供され、企業は内装やレイアウトを自由にカスタマイズできます。

 

一般賃貸オフィスのメリット

一般賃貸オフィスの主なメリットは、ブランドイメージの確立とプライバシーの保護です。独自のオフィススペースを持つことで、企業文化を反映し、従業員の帰属意識を高めることが可能です。

 

一般賃貸オフィスのデメリット

デメリットとしては、高い初期投資と長期契約に伴う固定コストが挙げられます。また、企業の規模が変わった際の柔軟なスケールアップやダウンが困難というデメリットもあります。

 

一般賃貸オフィスに向いている企業

一般賃貸オフィスは、安定した業務量と長期的なビジネス展望を持つ中・大規模企業や、プライバシーとセキュリティが重要視される企業に最適です。また、企業文化の確立やブランドイメージの強化を求める企業にも適しています。

 

セットアップオフィス・レンタルオフィスの選び方

セットアップオフィスは約30坪から100坪前後(関西では50坪以下)の面積帯が多く、ハイグレードなオフィスにデザイナーのハイスペックな内装が予め施されている物件もあります。

  • 内装工事期間・原状回復工事期間を省くことができるため、イニシャルコストがかかりません。
  • 通常の賃貸借契約と同じく、区画を専有できるため、セキュリティを気にされる事業の戦略に有効です。

企業イメージの向上を目的としたサスティナビリティを重要視する企業や、拡大期にある2~3年程度の短い期間で移転する可能性のある企業にお勧めです。

 

セットアップオフィスの特徴

セットアップオフィスは、貸主側が受付や会議室の造作など、オフィス内の間取り工事を行い、内装付きオフィスとして貸し出す形態です。これにより、通常の賃貸オフィスと比較してレイアウトや内装に関わる工事費用と時間を削減でき、短期間でのオフィス移転や業務負担の軽減・効率化が求められる企業から需要が高まっています。

様々なオフィスのタイプが存在し、企業の業種や規模によって、幅広い選択肢があります。企業の目的達成の為の、条件に合う的確なオフィス選びが可能です。

 

セットアップオフィスのメリット

セットアップオフィスは、通常のオフィス移転時に必要なレイアウト変更や内装工事が不要または最小限で済むため、移転にかかる時間と担当部署の負担が減少します。また、高品質な内装やインテリアが整えられていることが多く、従業員のモチベーション向上にも寄与します。

 

セットアップオフィスのデメリット

セットアップオフィスのデメリットとしては、既に決まっているレイアウトのため、内容の自由度が限られる点です。レイアウトを変更したい場合はテナントの負担となり、原状回復の費用も発生します。さらに、内装工事や什器備品の費用が賃料に転嫁されるため、周辺相場よりも賃料が高く設定されることもあります。

 

セットアップオフィスに向いている企業

セットアップオフィスに向いている企業には、オフィス移転の初期コストを抑えたい企業、スピード感を重視するスタートアップやベンチャー企業、短期間で再度移転する可能性が高い企業などが含まれます。これらの企業は、移転にかかる初期コストや時間の節約、内装造作や原状回復工事の身軽さを求める傾向があります。

 

フレキシブルオフィス(シェアオフィス・コワーキング)の選び方

働き方改革の普及により、従来型のオフィスから「フレキシブルオフィス」と呼ばれる契約期間や面積などをより柔軟に設定できるオフィスへと移転したり一部を切り替えたりする企業も増えています。​

フレキシブルオフィスには、広いフロアを区切って複数の企業でシェアする「シェアオフィス」や、オープンなオフィスフロアで自由に席を選んで使用できる「コワーキングスペース」などがあります。

これらのオフィスは、即時利用でき、契約期間の変更・人員の増減に対応しやすい点が大きなメリットです。​

通常の賃貸借契約と異なり、以下の費用や期間が発生しません。​

  • 敷金
  • 内装工事費用・期間
  • 原状回復工事費用・期間​

また利用期間に即した契約期間を設定できるため、イニシャルコストが掛からないのもメリットです。​

企業の成長や従業員数の変更に合わせて柔軟に契約が変えられるため人数の増減がある、新卒・中途の採用が多い事業拡大している企業にとっては、柔軟な契約形態を最大限に活用が可能です。​

【フレキシブルオフィス(シェアオフィス・コワーキング)の活用例】​

  • オフィス戦略による企業の一時移転
  • 会社設立の為のオフィス利用
  • 企業戦略(プロジェクト)​
  • 社内ベンチャー
  • テレワーク用のスペース

 

フレキシブルオフィスの特徴

フレキシブルオフィスは、1つのスペースを複数の企業や個人が区画して使用するオフィス形態で、オフィス家具やOA機器(コピー機、プリンターなど)、電話・インターネット回線の利用が可能です。契約期間や面積の幅が広く、自社の状況に応じて契約内容を柔軟に変更できるのも特徴です。​

 

フレキシブルオフィスのメリット

フレキシブルオフィスは、すでに家具や什器が設置されているため、入退去時の工事が不要で、契約後早い段階で業務を開始できます。また、敷金は不要または低額、共用設備や備品の購入も不要であるため、初期費用やランニングコストを抑えることが可能です。契約期間やスペース選択の自由度が高く、人員の増減に柔軟に対応できるため、機動的なオフィス戦略が実現可能です。​

 

フレキシブルオフィスのデメリット

リモートワークやオフィスの分散により、フレキシブルオフィスのみで勤務する従業員の中には、人とのつながりがなくなることでメンタルや仕事へのモチベーションが低下する人もいます。これを回避するには、共同作業や意見交換がしやすいレイアウトやコミュニケーションが取れるラウンジなどの設備を備えたオフィスを選定したり、定期的な本社オフィスへの出社日を設けたり、オンラインで気軽に連絡が取れる仕組みを構築する必要があります。​

 

フレキシブルオフィスに向いている企業

フレキシブルオフィスは、柔軟な契約条件やコスト削減を求めるスタートアップや中小企業に最適です。また、季節や市況により規模が変わりやすい業種、リモートワークとオフィス勤務のハイブリッドスタイルを取り入れたい企業にも適しています。​