北海道は広大な面積で、地域ごとの物流ニーズが異なる。道央圏の札幌市周辺は、人口集中し消費地として都市型物流に対応した倉庫や配送センターの需要が高い。道東・道北地域は、農業や漁業が盛んで、農産物や海産物を保管・出荷するための低温倉庫や冷蔵倉庫のニーズが高い。
倉庫の種類は中小規模が中心だが、近年EC市場拡大や物流効率化のニーズで、大型の物流施設や配送センターの建設も進む。新千歳空港周辺や苫小牧港周辺には、大規模な物流拠点が集積しつつある。
賃料水準は、札幌市とその周辺地域が最も高く、他の地域では比較的割安。ただし、低温倉庫や冷蔵倉庫など、特殊な設備を備えた倉庫は、一般の倉庫より賃料が高め。
需要面では、食料品関連企業、農産物関連企業、運輸業、EC事業者などが主なテナント。近年、海外からの観光客増加に伴い、インバウンド関連商品の保管・配送ニーズも高い。災害リスク分散の観点から、BCP対策として北海道に物流拠点を設ける企業もいる。
北海道は、冬季の積雪や寒冷な気候が物流に大きな影響を与える。そのため、除雪対策や凍結防止対策が施された倉庫や、暖房設備が不可欠。広大な土地を活かした大規模な駐車場や、トラックターミナルなどの物流インフラも重要。
これらの特徴から、北海道の貸倉庫・物流倉庫市場は、地域ごとのニーズに対応した倉庫設計と、寒冷な気候への対策がポイントとなる。