オフィス賃貸市況の動きを読む

9月24日, 2015

未来の予測は容易ではありません。だからこそ事実を正確に把握し、最新の動向を多角的に洞察しましょう。

大座充史(JLL マネージャー オフィスリーシング)

オフィス賃貸の市況については、専門家もさまざまな予測を出しています。しかし不動産市場は国内の経済政策だけでは見通せない側面も大きく、現在も非常に読みにくい状況にあります。まずは基本的事実を押さえ、バイアスのない情報源から最新の動向をアップデートすることを心がけましょう。

 大型物件の新規供給は2018年以降に加速
2017年いっぱいまでは、物件の供給数もさほど多くはありません。景気がこのまま好調を維持するのであれば、空室率が下がり賃料が上昇する傾向は予想できます。変化が起こるのは、新築ビルの供給が集中する2018年~2020年前後。スペースの増加をカバーできるほど企業の設備投資(労働人口の増加)が継続しているかは不透明な部分があります。

 大量供給で賃貸市場は活況に
今世紀に入ってから、オフィス賃貸市況は2003年と2012年の大量供給を二度経験しています。これまでの経験から、今回の供給増加でも大きな混乱は起きないだろうという楽観的な見方もなされています。好況が続けば、規模ニーズに沿った移転を望む企業が増え、特に集約効果を求めて大きなビルへ移転する企業が増えるでしょう。すると、今入居している物件が市場に出てくる(いわゆる二次空室)ので、一般的にオフィスの選択肢は増える可能性が高いです。好況が続くという条件付きなら、賃貸市場も活況となる可能性があります。

局地的な人気エリアで競争が激化
六本木は衣食住が完結したエリアで、外資系企業に人気があります。また虎ノ門の開発も進んでおり、新橋から虎ノ門までの外堀通りを日本のシャンゼリゼにする計画もあります。しかし、虎ノ門、神谷町、六本木界隈、東京駅周辺(大手町、日本橋、八重洲)、そのほか、新橋、日比谷でも新築物件が続々と竣工するため、サービス面のみならず賃料面でも競争原理が働き、賃料の下落が起こる可能性があります。